日々の日記

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【書評】ティアムーン帝国物語

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今回はティアムーン帝国物語というラノベを読み終えたので、感想を書こうと思います。先に言うと次の巻も買ってしまう程面白い作品でした。

この作品は昨今出てきた悪役令嬢系のなろう産ラノベです。
この作品の面白い点は2点あり、
①転生した主人公が案外ポンコツ
②色々あった結果、主人公の評価が勝手にインフレしていく
のが面白い作品です。

ところで悪役令嬢ものとは、
・主人公が何かの拍子にゲームのバッドエンドを迎える悪役令嬢に転生したため、悲惨な目に合わないようフラグをへし折っていく

・自身がバッドエンドを迎えた悪役令嬢が死後転生し、幼少期からやり直す

の2パターンが現在主流の流れの物語です。作者の力量が不足していると特に後者のパターンの場合、人間関係の描写が面倒なのか田舎でスローライフしがちになるのも傾向としてあります。

ティアムーン帝国物語は後者の方のパターンで、飢饉になってしまったことと貴族社会と平民との人間関係を間違えた結果、ダブルパンチを喰らった主人公がギロチンで処されるところから転生し、物語が始まります。

今までの転生してやり直していく作品を読むと、え?そんなに出来事やらなんやらを覚えてるの?とかそんな行動力あったら死んでなくね?とか性格良すぎやしませんか?みたいな感想を抱かざるを得ない作品が多々他のラノベで散見されます。

しかし、転生しても飢饉にならないようなんとか頑張ることはできるものの、生来の性格や学力はあまりカバー出来ておらず、ほぼ運と人徳で乗り切っていくのがこの作品の面白いところです。
特に貴族としてのモラル等が抜けておらず、元は20歳過ぎた年齢であったのに10代の少女に精神年齢で劣りビビり散らす等の描写は笑いました。

また、元は傲慢で平民上がりの同級生を見下していた主人公がある程度は大人しくなり、仕方なく見下された他の人物を庇った結果評価が上がったり、前世で良くしてくれたメイドを厚遇した結果他の人物の評価が好転する等を経た結果、主人公の評価が周囲の勘違いでうなぎ登りで上昇し、遂には王女伝なる自伝まで出るらしいのが恐ろしい。

総じて1度失敗しギロチンにかけられた主人公が、なんとかフラグを回避しようと頑張るのですが、頑張った結果運と周囲の勘違いで凄いことになっていく作品です。
頭を空っぽにして気負わず読める内容ながら、きちんと伏線回収もしているので昨今ありがちなチープな作品になっていないのもポイントが高いですね。

個人的には結構面白い作品でした。