【書評】水滸伝ー北方謙三ー
今週のお題「読書感想文」
読書感想文ということで、私が今まで読んだ中で面白かった本を書こうと思います。
タイトルにあるように今日は水滸伝を書きます。
水滸伝とは中国の古い話で、よくある三國志と同じ様な世界観の話です。
三國志との違いは、水滸伝は108人の英雄が活躍する物語ということです。
この世の中を良くしたいと108人が集まり世直しをする物語が水滸伝なのですが、水滸伝は今まで様々な作家さんが執筆されています。
その中で最も面白いと思っているのが、北方謙三先生が書かれた水滸伝(全19巻)です。
北方謙三先生はハードボイルドな作風で知られるベテラン作家さんなのですが、この水滸伝もハードボイルドに北方流で執筆されており大変読みごたえある作品に仕上がっています。
原作との相違点は登場人物含め多々あり、もはや別物と言っても差し支えない内容となっているのですが、とにかく登場人物が魅力的に書かれています。
伝令を頼まれた男がただ走っているだけの描写なのに…
戦場で旗を持つ役割の男の練習風景が書かれただけなのに…
偏屈な鍛冶屋に友人が出来ただけなのに…
それなのに熱い!面白い!と思ってしまう血が滾る描写が多々あり、まさに男ではなく漢(おとこ)の生きざまを見ている感想を受けます。
また、生きざまと書きましたが戦場で散る様まできちんと書かれているのもこの作品の熱いところです。
志を持って108人の英傑達が志を抱き戦場に出陣し、1人の漢としての生涯を終える描写は涙無しには読めません。
まだまだ夏真っ盛りで暑いですが、夏の暑さにも負けないこの小説!
気になった方は図書館等で借りてみてはいかがでしょうか。
ちなみに続編が出てますが、続編は雰囲気が変わり、人によっては評価が下がることもあります。
私は続編はイマイチでした…。
思い入れのあるキャラクター達が雑にワラワラ死んでしまい、あまり期待出来る内容とはいえないです。